はじめてのFXで

失敗には、なるべくしてなった失敗と、どうしようもない理不尽さによってなった失敗の2種類があると私は思っている。
 そのなかでも、私がFXでした失敗は、大いになるべくしてなった失敗である。
 それは、はじめてのFXであった。
 友人の勧めもあり、また円高ドル安が進行していた時期でもあり、軽い気持ちではじめた。
 軽い気持ち、あまりに軽かったため、わたしはなにも勉強せずにはじめてしまったのだ。
 資金は10万円。
 はじめたときは、まぁ勝てなくてもいいさと思いつつも、資金が2倍3倍に膨らんだときのことを考えながらニヤニヤしていたものだ。
 ところが、その二日後から急激な円安がはじまった。
 資金がどんどん目減りしていく。
 わたしは慌てて決済した。慌てたおかげか、目減りした資金がそれほど大きくはなかったのだが、翌日にチャートを見てみると、私が決済した数時間後にふたたび円高がはじまっていたのだ。
 なんということだ。あと少し待っていれば良かったのに……と悔しく思いつつ、損失分を取り返そうとふたたび取引。
 また数日後に、大きな円安がはじまった。
 私は当然のように、それを笑ってスルーした。どうせすぐに戻る。
 しかし、今度は戻らなかった。
 どういうことかと調べてみると、戻らない要因がちゃんとある。
 これはしまったと思いつつも、いつか戻ることを信じて、きっと戻ると信じて、待ちつづけた。
 その結果は、たしかに大きな揺り返しはきたのだが、そのまえに私はロスカットされてしまった。
 資金の10万円はあっというまに、25000円に。
 ここで私は考えた。
 今回はロスカットされてしまったが、資金を注ぎ込んでさらに堪えていれば、いつかかならず戻るのでは?
 さすがに、その考えを実行することはなかったが、失った資金とモニターに張り付きチャートをにらみつづけた時間は帰ってこない。